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健康保険料も減らせる?個人事業継続でのマイクロ法人設立を検討

2021年4月26日

法人設立を検討しています。

いわゆるマイクロ法人です。

きっかけは節税面ということになりますが、将来的なものも考えてアリなのかなと思い始めています。

今はしがないプログラマとして個人事業を営んでいて、誰かから仕事をもらっている形です。

将来的にはこの形ではなく、WEBサービスなり自分でつくったものを売っていく形にしたいというのもあります。

法人設立検討の経緯

個人事業主として独立し、はや3年目も半分を超えました。

独立時に加入した社会保険の任意継続の期間(2年)もとうに終了しました。

独立したが国民健康保険は高いので社会保険の任意継続手続きしてみた

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社会保険の任意継続が終わると自動的に国民健康保険へ切り替わります。

このときに国民健康保険料支払いの振込用紙が届きます。

昨年私のところにも届きました。

国民健康保険は年10回払いですが、この一回あたりの支払金額を見てみると。

とま
とま

8万円超でした(妻子あわせて4人分で)

高すぎやろ。

年10回払いで80万超えるやないかい。

どの税金よりも高いやないかい。

社会保険の任意継続期間のときは毎月35000円ほど(年40万ほど)の支払いだったので倍くらいの負担です。

40万あれば家族4人で露天風呂付き客室で何連泊もできますよ・・・。

国民健康保険料の基準となった2019年の売り上げはありがたいことに800万円ほどに上りました。

(2020年はさらに上がりました。ありがとうございます。)

そのうえでの保険料の計算になるとは思うのですが・・・高すぎる。

とま
とま

こんな高い金額をみんな払ってるのか・・・?

というわけで(?)「どげんかせんといかん」となっての法人設立検討です。

法人設立のイメージ

法人を設立するといっても今やっている個人事業を引き継ぐような、いわゆる「法人成り」ではなく新規の事業を行うものをイメージしています。

なぜかというと法人成りした場合は給与基準を下げない限り保険料が安くならず、メリットがないからです。

法人成りした時の保険料計算

たとえば今の個人事業をそのまま法人に引き継いでいく場合を考えてみます。

まずは現時点でいくら保険料がかかっているのかというと、

  • 国民健康保険:年80万(家族4人分)
  • 国民年金:40万(私と妻2人分)

年120万円ほどかかっています。(´д`;)タカイ

※法人化した際は健康保険と併せて年金も厚生年金に切り替わりますので年金の保険料も考慮しないといけません。

2019年は年間売上800万くらいで600万ほどの所得でした。

これと同じ水準の給与(月50万)に設定すると社会保険料+厚生年金保険料の場合は逆に高くなってしまうのです。

【大阪】令和2年度保険料額表(令和2年9月分から)

この大阪府の保険料額表を見ると、月50万円の給料にしたときの月々の支払いが

  • 健康保険料:60,050円
  • 厚生年金保険料:91,500円

月合計:151,550円、つまり保険料だけでなんと年間約181万円もかかります!

こっちの方が高い。

とま
とま

これは無理ですね。

なんでこんなに高くなるかというと社会保険・厚生年金は社員だけでなく法人からも払わないといけないからです

いわゆる折半というやつです。

とま
とま

社員のときは意識していなかったけど会社はかなり負担していたんやなぁ。

ちなみに国民健康保険の場合は年10回払い、社会保険の健康保険は年12回(毎月)払いです。

個人事業とは別の事業で法人設立

では法人設立するメリットがないのでは、となりそうですが別のやりかたで健康保険料を下げることができるというのが色々調べているとわかりました。

それがいまのシステム開発の事業でなく別の事業を行う会社を起ち上げる、ということです。

会社の売り上げが安定するまでの当分のあいだ給料を低くすることで保険料が下がるだろうという想定です。

イメージしているのはWEBサービスを運営、提供する会社の設立です。

このとき個人事業(プログラマ業)はそのまま継続して隙間時間でWEBサービスを作っていきます。

WEBサービスを提供する会社ではシステム開発の仕事は請けないようにします。

そしてWEBサービスの売上が増えるにつれ個人のプログラマ業は徐々に減らしていこうかと。

このやり方だと保険料を最低の金額に設定できるのではないかと考えています。

【大阪】令和2年度保険料額表(令和2年9月分から)

こちらの大阪の金額を見てみると保険料の最低額は

  1. 健康保険料:6,965.8円(小数点切り上げて6,966円か)
  2. 厚生年金保険料:16,104円

月合計:23,070円、年間は276,840円です。

国民健康保険+国民年金の年額が120万円だったので年90万円以上も減らせることになります

というわけで設立するなら合同会社

というわけでWEBサービス提供する会社の設立を検討します。

会社といって真っ先に頭に浮かぶのが株式会社ですが、ひとりだけで事業を行う場合は合同会社のほうが身軽でお安くできます。

合同会社が株式会社とどこがどう違うのかということについてすごく簡単に言うと、

  • 設立費用が株式会社より少なくてすむ
  • ランニングコストも少なくてすむ
  • 合同会社は決算公告が不要
  • 合同会社は株発行できない

ということになります。

1人だけの会社であれば合同会社のほうが金額的にメリットが多いと思います。

合同会社設立時のお金シミュレーション

合同会社を設立する!といっても作るだけでお金がかかります。

さらに毎年維持するための費用も必要です。

ここでは必要な費用を一つずつ挙げていってシミュレーションしてみます。

ここがメインとなるテーマですね。

法人設立時の費用

まずは一番はじめに法人を作らないといけません。

法人を設立するのにもお金がかかります。

合同会社を設立する場合に必要な費用は次の通り

  • 登録免許税:6万円
  • 定款印紙代:4万円(電子定款の場合は0円!)
  • 印鑑:1万円(代表者印、銀行印、角印)

まずは登録免許税の6万円。これは必須です。

ちなみに株式会社になるとこの金額は15万円かかります。

定款印紙代は4万円なのですが、これを電子定款にすると0円になります。

私が個人で使用している会計freeeでは5000円で電子定款を作成してくれるサービスがあります。

さらに!会計freee、人事労務freeeのどちらかを年間契約するとこの5000円も無料になります。

これを使わない手はありません。

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あとは法務局で印鑑登録する必要があるので会社用の印鑑を買います。

1万円ほどあれば買えると思うのでここでは1万円としときます。

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というわけで会社設立に必要な費用は次のとおり。

会社設立費用

登録免許税6万円 + 定款印紙代0円 + 印鑑代1万円 = 7万円

法人を維持するための毎年の費用

法人を作ると維持するために費用が必要になります。

現時点で思いつくのは以下でしょうか。

  • 税金
  • ツール類
  • 従業員の給料など
  • 決算時の費用

税金

法人にも税金がかかります。

法人税、法人事業税、法人住民税などです。

この中でも法人住民税というやつは赤字でも支払う必要がある税金です。

これが最低でも7万円かかります。

法人設立直後はおそらく赤字経営になると思うのでこの金額になるでしょう。

ツール類

法人を経営するうえでツール類は不可欠です。

いまのところ経理のツールに「会計freee」、従業員の社会保険や源泉徴収とかで役立ちそうな「人事労務freee」の使用を検討しています。

(いま個人事業でも会計freeeを使っているので)

これも毎年かかる費用になります。

  • 会計freee:23,760円/年(法人ミニマムプラン)
  • 人事労務freee:23,760円/年(法人ミニマムプラン)

合計で47,520円、ここでは5万円としときます。

従業員の給料など

会社を設立するとなると毎月の人件費が必要になってきます。

人件費といっても自分一人分ですけどね。

代表社員(株式会社でいう社長)なので役員報酬を支払う形になります。

役員報酬を0円にして支払わないこともできますが、この場合だと現時点で高額の国民健康保険をそのまま支払うことになるので

ここは少額の役員報酬を設定して最低限の社会保険料を払うことにすれば負担を減らせるのではないかと思っています。

ということで以下のような感じになるのかと思います。

社会保険料・厚生年金保険料については大阪府の協会けんぽ料金で計算しています。

(参考:令和3年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表)

項目会社個人合計
収入費用収入費用
役員報酬 -15,00015,000  
社会保険料 -3,506 -3,506 
厚生年金保険料 -8,052 -8,052 
合計0-26,55815,000-11,558-23,116

会社が支払う分、個人は払う分ともらう分で計算しています。

役員報酬は最低の保険料になる金額で、この金額を支払える近辺に設定しました。

ややこしいですが私個人が会社に払ったお金が、給料としていくらか戻ってくるイメージになるんでしょう。

  1. 私が会社にお金を払う(資本金、借入金)
  2. 会社が私のためにお金を払う(給料、保険料)
  3. 私にお金が入ってくる(保険料支払い後の給料)

うん、ややこい。

役員報酬を15,000円にすると、人件費として月23,116円 x 12か月で年277,392円、約28万円かかることになります。

単純に保険料だけを見ると120万円→28万円になるんですね~。

確定申告費用

法人でも確定申告は必要です。

しかも個人の時より複雑なものになり、ひとりでやるのは敷居が高いようです。

やってる方もいるようですが

日々の記帳などは会計freeeでできますが、確定申告は税理士さんに頼んだ方がいいんでしょうね。

会計freeeでは決算書まで作れますが申告書が作れません。
会計freeeとは別に申告freeeというのもあるのですが、会計事務所しか導入できないようです。なんでや。

実際に確定申告を税理士に依頼する場合は10万円ほどは必要みたいですね。

ネットで調べると代行料金5万円とかであるみたいですがここではいったん10万円としときます。

毎年の費用合計

これまでに計算してきた税金、ツール類、従業員の給与等、決算費用を合計します。

毎年の費用合計

法人の税金7万円 + ツール類5万円 + 従業員の給与等28万円 + 決算費用10万円 = 50万円

毎年50万円もかかるのか・・・。

個人事業の所得控除額が減って税金増える

法人を作ることで社会保険料が大幅減になりますが注意点が1つ。

社会保険料が減るということは個人事業の確定申告時の所得控除額も減るということです。

所得控除が減るということは所得税、住民税額が増えるということです。

社会保険料120万円が28万円になるので控除額が92万円減になります。

すごい減りますね・・・。

年間所得でいうとだいたい所得税が20%の税率(所得額330万円以上694.9万円以下)、住民税は府民税と市民税合わせて10%なので、減少した控除額を基に税額を計算すると・・・

  • 所得税:92万円 × 20% = 18.4万円
  • 住民税:92万円 × 10% = 9.2万円

となって27.6万円税額アップ(!)してしまいますね。ここでは28万としときます。

個人事業分の税金アップ額

所得税アップ額18.4万円 + 住民税アップ額9.2万円 = 27.6万円 ≒ 28万円

法人設立後の費用を表にまとめてみる

いままで挙げた法人設立による費用を表にまとめてみます。

項目増減金額(万円)備考
毎年の費用+50法人住民税、給与関連、ツール類
社会保険料-92健康保険料、年金支払額は減る
所得税+住民税+28個人事業の税金は増える
合計(2年度以降)-14
会社設立関連費用7初年度のみ
合計(初年度)-7

初年度は7万円、2年度以降は14万円費用を減らせることがわかりました。

これを多いと取るか、少ないと取るかですね。

金額だけ見ると手元に残るお金は増えますが・・・微妙な金額。

法人設立すると事務作業が格段に増えると踏んでいます。

自分の役員報酬の手続き、役所・税務署・健康保険事務所への書類提出、個人より複雑な確定申告・・・。

これらを踏まえて法人設立するかどうか。。。

うーん、わからん。

なんにせよ

法人を設立するとお金的にはやってみてもいいかもしれません。

ただどれくらい時間を取られるか。

このあたりの具合がいまのところわかりませんね。

ただ少なくとも「法人を設立する」という経験は何物にも代えがたいもののように思います。

この辺りを吟味してどうするか考えないといけませんね。

まずすべきは時間の確保です。

いま請け負っている仕事が時間的に目一杯なので時間確保できる状態になったらGOしてもいいかもしれません。

とま
とま

何か進展あれば報告します!

  • この記事を書いた人

とま

40代。大阪在住。フリープログラマ。1人の妻、2人の娘と同居。 2018年に独立。2021年にマイクロ法人設立。 仕事の時間を半分にしたいなぁ。 プロフィールへ

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